前回は病院の種類として
法律の区分(医療法)で
病院の種類を見てきましたが
今回は一般的な病院の分類を
見ていきましょう。
病院の種類と病床と病棟の違い
病院の役割としては
大きく分けると
以下のように分かれます。
・急性期病院(一般病床)
・ケアミックス病院(一般病床と療養病床が混在)
・慢性期病院(療養病床)
もともと収益性の高い
一般病棟を持つ急性期病院が
多かったのですが
高齢者の増加に伴い
国の政策として一般病床を削減し
療養型を優先させたい背景から
一般病床と療養型病床を混在した
ケアミックス病院が増えてきました。
ちなみに
一般病床が80%以上なら急性期病院
療養病床が80%以上なら慢性期病院
のくくりになっています。
また、一般病床の一部を
回復期に当たる
地域包括ケア病棟や
回復期リハビリテーション病棟に
転換するケアミックス病院や
回復期のみに特化した
病院も増えています。
病床(びょうしょう)とは
日本全体の病床数は
約165万床(平成30年度)あり
診療科によって5つの病床に分類されます。
病床の種類 | 病床数(おおよそ) | 特徴 |
---|---|---|
一般病床 | 89万床 | 病気やけがでの短期入院のベッド 集中治療室や緩和ケア病床も含む |
療養病床 | 32万床 | 長期入院が必要な方のベッド |
精神病床 | 33万床 | 精神疾患の入院ベッド |
結核病床 | 5千床 | 結核疾患の入院ベッド |
感染症病床 | 1.8千床 | 感染症の入院ベッド |
この残りのベッドがクリニック(9万床)になります。
病棟(びょうとう)とは
病棟の種類 | 入院期間(おおよそ) | 特徴 |
---|---|---|
一般病棟 | 15日以内 | 一般病床の集まり 人員配置が手厚い 患者さん:医師 =16:1 患者さん:看護師= 3:1 患者さん:薬剤師=70:1 |
地域包括ケア病棟 | 60日以内 | 症状が安定した時に すぐ在宅復帰には不安がある場合 専門に特化しないで幅広い診療や リハビリを行う病棟 (急性期と在宅の橋渡し役) ※レスパイト(休息の意味)入院と言って 在宅療養されている患者さんのご家族が 介護疲れから解放できる入院の受入れも あります。 |
回復期 リハビリテーション病棟 |
60〜180日(疾病による) | 脳血管疾患や大腿骨頸部骨折など 専門医特化した集中的なリハビリを 行い在宅復帰を目指す病棟 |
療養病棟 | 90〜180日 | 療養病床の集まり 患者さん:医師 = 48:1 患者さん:看護師= 4:1 患者さん:薬剤師=150:1 |
緩和ケア病棟 | 30日以内 | がんの患者さんなど治療が 困難な患者さんの痛みや 心のケアを行う穏やかな病棟 |
病院の特徴
ここから一般的な病院の
特徴をざっくりご紹介します。
急性期病院
急激に症状が悪化した患者さんに対し
救急医療や手術を24時間体制で行う
一般病棟のみの病院です。
交通事故や心筋梗塞などで
救急車が向かう病院のイメージでしょうか。
前回ご紹介した特定機能病院や
地域医療支援病院も急性期病院に当たります。
ちなみに症状と緊急性から
3段階(1次救急・2次救急・3次救急)に分けた
救急指定病院としの分け方もあります。
・患者さんの容体が変わりやすい
・入院期間(平均在院日数)が短い
・医療機器や医療従事者が充実している
・入院は救急・外来・かかりつけ医からの紹介が多い
慢性期病院
医療依存度の高い患者さんを中心に
長期間の入院医療を提供する
療養病棟のみの病院です。
・患者さんの容体が安定しているが回復が見込みにくい
・入院期間(平均在院日数)が長い
・外来はほとんど行っていない
・高齢者が多く転院先を探すのが難しい
・入院は急性期やケアミックス病院
介護老人保健施設・介護福祉施設からの紹介が多い
ケアミックス病院
一般病床と療養病床両方を併せもつ病院です。
・患者さんの状態に合わせて
転院することなく一貫した医療の提供ができる
・病院の中ではケアミックス病院の数が一番多い
専門病院
特定の病気や症状など
治療に特化した病院で
以下の2つに分かれます。
1、高度専門病院
がんセンター・小児医療センターなど
公的病院が多いイメージです。
2、単科専門病院
精神科病院・回復期リハビリテーション病院
産婦人科病院・眼科病院病院など
病院の種類まとめ(イメージ図)
いかがでしたでしょうか?
少しわかりにくい分類も
あったかと思いますので
最後に簡単なイメージ図をご紹介します。
ぜひご参考下さい♪
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